2009-09-02

オバマ氏が発端の「Change」

1.昨年末に行われた米大統領選挙に民主党から立候補したオバマ氏が掲げた「Change」という言葉。当時の米国は現状維持では前に進めないと痛感していた市民たちの心を奪ったのである。誰もが今のままではダメだと思えるのだが、変えようという意志を持つのは偉大なことのように思う。それをオバマ氏ができた。彼の演説力、自らが白人ではない事等が「Change」という言葉に最も似合っていたかも。
見事に当選を果たしたオバマ氏が今年1月20日に大統領職に就任した。就任当時圧倒的な支持率を誇っていたが、徐々に支持率が落ちてきている。それはなぜか。

「変革」が一人の力では難しいこと、そして出来上がったものを変えるのに結構時間が要する。だから、オバマ氏が大統領になってすぐ実現できるように思い込んでいた人たちに不満が生じてきているように思う。もちろん、変革を臨んでオバマ氏に一票を投じた人たちに協力を要求することができる。そうしない限り変革の実現は不可能だ。

2.今年5月に行われたモンゴル大統領選。野党である民主党の候補者エルベグドルジ氏も「Change?」という言葉を選挙戦に使用した。モンゴルの司法制度、深刻化した汚職問題等々を変革しようとしているのだ。まさに、モンゴル人が待ち望んでいることでもある。都市部での支持力によって当選を果たした彼が大統領就任したのは6月のこと。それ以降、少しでも明るい兆しが見え始めているように思う。実際、日本にいながら現地での変化を見極めるのが難しいが、少なくとも私がこう信じているのだ。一日で変革を成し遂げるのはとても無理なので、ゆっくりでもいいので今後4年間、モンゴルをいい方向に導くことを期待して見守りたい。

3.先月30日に投票が行われた衆院選。鳩山代表が率いる民主党が歴史的勝利を飾った。1955年制度成立以来、細川内閣を除けば初めて自民党が与党の座を降りることになったのである。民主党も「政権交代」、「脱官僚」など謳っていたが、これも「変革」を意味する。

しかし、一般の日本人がどう感じているのだろう。残念ながら、変革を望んで民主党に投票したというより、自民党がダメだから民主党というムードが漂っていた。それじゃ、変革は難しい。実際、「民主党がマニフェストを実行する能力は足りないと思うが、口だけ聞いているより一回チャンスを与えて、ダメだったら4年後戻せばいいんじゃない?」という意見が多い。変革を成し遂げるのにみんなの協力が必要だということが分かっていないようだ。民主党を待ち抱えているであろう数々の試練を彼らが乗り越えるには国民一人一人、官僚一人一人の協力が必要だと思う。そうしないと、今後の4年間は日本にとって無駄になるに違いない。政治家にお任せてばかりでは、自分たちの生活が保障されない。自分の生活は自分で守るのだ。これが責任ある人間にとって理屈。

だから、日本国民は民主党を選択した以上、彼らを「4年後降ろす」つもりではなくて、彼らに協力して日本という国に明るい未来をもたらしてほしいのである。

No comments: